政治分野で男女共同参画を進めるには? ~「出産議員ネットワーク」研修会~
「出産議員ネットワーク」「子育て議員連盟」合同研修会@参議院議員会館
「出産議員ネットワーク」は、現職議員で出産した地方女性議員でつくるネットワークです。
私は市議会時代に2人目を出産していますのでメンバーであり、関西ブロック代表を仰せつかっています。
出産議員ネットワークでは、出産育児等と議員活動ができる仕組みを、そして多様な声が届いていかされる社会をつくろうと活動をしています。
具体的には、研修会・要望活動・調査などを実施しています。
本日は研修会を参議院会館で開催しました。
●第一部 メンバーミーティング
以下のような事例報告や意見交換などが展開されました。
・議会運営委員会に議長が「政治分野における男女共同参画の推進」を諮問
・策定中の議会基本条例に「議員が育児や介護と議員活動を両立し、多様な声が政治に届くようにする」という趣旨の条文を入れることを検討中。
※現職の女性議長も2名が参加
市議会議長会で要望活動や議長会シンポジウムでネットワークの活動を展開(鎌倉市議会議長)
議長主導で議会の会議規則に産前産後休暇(期間を含め)を明記(群馬県榛東村議会議長)
●第二部 調査結果の報告
〇議員在任中の出産に関する実態調査結果報告
〇全国議会調査 集計速報値発表
・議員配偶者の出産に伴う欠席届等(男性議員の育休取得状況)
・保育所入所申請等のための就労証明書の対応状況
・両立支援の観点での議会の取り組み
出産議員ネットワークで、日本の全議会を調査しました。
(実際は世話人代表の永野裕子(豊島区議)が全部実施)。
全国の各議会において「男性議員はどれくらい育休を取得しているのか」「議員に就労証明書は発行しているか」「両立について何か取り組んでいるか」などを調査。
地方の男性議員において、妻出産での休暇取得は約3%という結果が。
この結果はNKK全国ニュースはじめ各メディアに取り上げていただきました。
●第三部 意見交換会
テーマ「政治分野における男女共同参画を推進するための環境・制度整備」
発言者
廣瀬克哉氏(法政大学法学部政治学科教授 法政大学副学長)
城山佳つぐ氏(帝京平成大学健康医療スポーツ学部教授 元豊島区職員)
H氏(内閣府男女共同参画局推進課)
久坂くにえ氏(鎌倉市議会議長 出産議員ネットワークメンバー)
青柳まさゆき氏(台東区議 子育て議員連盟メンバー)
昨年5月に「政治分野における男女共同参画推進法」が制定されて約1年半。
制定を各政党に要望活動していた「出産議員ネットワーク」としては、法策定は嬉しかったし、政治分野での男女共同参画が進むことを期待しています。
ただ、なかなか変わらない現状であることを痛感しており、環境と制度の整備において何ができるか?何をすべきか試行錯誤中。
そこで、このテーマで意見交換。
コーディネーターは法政大学の廣瀬克哉先生。
引き受けて下さったことだけでも奇跡。素晴らしすぎるコーディネート&的確すぎるアドバイスに感激。
内閣府・総務省の方々にお入りいただき、当事者も含めて意見交換。
目指すところは一緒だと再確認。
共に取り組んでいきたいです。
以下、印象に残った発言メモ
・ベテラン女性が「自分は制度でなく運用の中でやってきたからできるはず」と反対する場合もある
・議会は本来、自分たちで変えていけるのに(自立権)逆に縛っている、自縄自縛の状態。
・昨年5月に方ができて以来、期待しているあが内部からはなかなか難しい現状?
・議長会は、議長会自体が命令する類の団体ではないし、法で明確な義務付けがないと動きづらいであろう。
・総務省としてはシンポジウムなどはできるが議会規則などに対して命令するものではないのではないか
・議会の開催時間を見直す、などは女性職員の働き方の見直しにもなるよね。
・どう推進していけるか?→2つの側面から ①当事者などからの内発的な動き②社会的課題としての全体的な動き
・議会の中だけで考えるのではなく、議会という組織のあり方を検討する外部団体のようなモノ(アドバイザー?)がいるのでは?
・議会は外部から圧力をかけられるものではないが、人として生きていく最低限の事柄